手続き

保険医登録の旧姓利用の手続きと落とし穴

2017/10/26

医師として保険診療を行うには、保険医登録を行う必要があります。

医師免許だけでなく保険医も旧姓利用が可能とされています。

しかし、これも住民票と同じく、転居(正確には常勤先の異動)に関わる落とし穴があります。

保険医登録の旧姓利用

入籍した後、旧姓で医師として働きつづける場合でも、保険医の氏名変更届けを厚生局に提出しなければいけません。

医師免許証の書き換えを行わなかった場合でも届け出をする必要があります。

医籍とは異なり遅延理由書などの規定はないため、変更届の期限はないと解釈できてしまいます。

ちなみに、名前が変わる他にも、常勤先が変わった場合にも変更届を提出する必要があります。

常勤先を管轄する厚生局が担当部局である

主に勤務する保険医療機関又は保険薬局が所在する都道府県を管轄する地方厚生(支)局が担当部局です。

つまり、常勤先に合わせて保険医登録がされ、各厚生局が担当になっています。

「保険医・保険薬剤師の登録等に関する申請・届出」に関する各厚生局のページをまとめてみました。

各厚生局の保険医の旧姓利用についての案内

  • 北海道厚生局 申請年月日欄の余白に「旧姓使用を希望する」旨を記載
  • 東北厚生局 登録表の再交付欄に「旧姓使用するため」等、交付申請しない理由を記載
  • 関東信越厚生局 Q3-8:「変更事由」欄に変更事由を記入するとともに「旧姓使用を希望する」と記載
  • 東海北陸厚生局 記載なし。電話で問い合わせたところ、登録票の再交付を受けなければ可との返答。
  • 近畿厚生局 Q3-8:「変更事由」欄に変更事由を記入するとともに「旧姓使用を希望する」と記載
  • 中国四国厚生局 Q2-4:「変更事由」欄に変更事由を記入するとともに「旧姓使用を希望する」と記載
  • 九州厚生局 記載なし

保険医登録を旧姓利用するための手続き

では実際に保険医登録を旧姓利用するための方法です。

下記の書類を用意して厚生局に提出します。

  • 戸籍抄本
  • 保険医登録票
  • 保険医・保険薬剤師氏名変更届(各厚生局のHPからダウンロード可)
    • 変更届には変更事由とともに「旧姓使用を希望する」と記載

この際に、登録票を返還しない/新しい登録票の交付を受けなければ旧姓の登録票を継続使用できるとされています。

「保険医・保険薬剤師の登録等に関する申請・届出」の提出先

各書類は厚生局に提出するのですが、書類の提出先は厚生局の本庁舎と異なる場合が多いので注意が必要です。

実際の届出先をまとめてみました。

郵送でOKですが、保険医登録票を送ってしまうと旧姓のまま返ってくるか不安な場合は予め電話で確認するか直接窓口に持参してください。

常勤と非常勤の異動に関して

保険医登録については、常勤先の所在地によって監督官庁が決まります。

ということは、都道府県を超えて常勤先が変わる場合は保険医登録の変更届を出す必要があります。

一方、非常勤での勤務先が変わる場合は、保険医としての届出は必要ありません。

常勤先の変更に関わる旧姓利用の落とし穴

常勤先が都道府県を超えて変わる場合には旧姓の時に作られた保険医登録票を返還する必要があります。

紛失届を出して元の保険医登録表を返さないという抜け道があるかもしれませんが、

それでも新しい常勤勤務先では新姓の保険医登録票を利用することになります。

つまり、都道府県を超えて常勤先が変わる場合、保険医として旧姓の名前が使えません!

ちなみに、中国四国厚生局のHPには丁寧に「※旧姓使用を希望した場合でも、他の都道府県へ異動した場合や登録票を紛失・き損したため、登録票の再交付を行う場合には、保険医登録票は新姓での交付となります。」と明記されています。

これは重大な問題だと思います。

医籍は新姓、医師免許は旧姓、保険医登録は新姓、では仕事できないと思うのですが…。

みなさまどうされているのでしょう?

保険医制度の改善を求めます

いまの政府は旧姓利用範囲の拡大を進めれば、選択的夫婦別姓制度の導入は必要ない、と考えているようですが、

現状の保険医制度では旧姓利用が完全にできているとはいえません。

常勤先が変わっても旧姓利用ができるよう、厚生労働省が保険医をまとめて管理するか、都道府県を超えても利用できるように保険医制度を改善する必要があるのではないでしょうか。

この点については既に日本医師会男女共同参画委員会からも意見が出ています(「輝く女性医師の活躍を実現するための医師会の役割」)

でも現状は何も変わっていません。

1日でも早く保険医制度が改善されることを求めます。

 

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